2024.11.07

インタビュー

山電高架下のたまごやさん・髙島鶏卵店

#働くひと

南町商店街出てすぐにある東横イン前にある髙島鶏卵店。 なんとここは山陽電車の線路の下です。 枌原さんのご紹介 & グリハンの萩原さんに連れられて、メインストリートからは少し離れたこのお店を訪問し

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東横インの南側、駅西エリアの中でも JR 姫路駅寄りのお店郡の中に、1 軒だけ市場の雰囲気を残したお顔の店 緑と白のオーニングが目印。
お店の名前は正面には書いていませんが、ここが髙島鶏卵店さんです。

実は、枌原さんとお話している時に、こちらを取材先としてご紹介をいただいていました。
この日たまたまグリハンの前で萩原さんを見かけたので挨拶すると、 「今からチーズケーキ用のたまご買いに行くけど、一緒に行く?」と、連れていっていただきました。
萩原さんは身軽に 500 円だけ持って、足りるかなあと言いながら…。

萩原さんのグリハンからは、1 区画南に行ってそこを左折、直進。 忍町の大きな通りからは少し南にそれます。
このあたりの土地勘がなくても、とにかく山陽電車の高架に沿って歩くとわかりやすいですよ。

萩原さんはこのお店に来るのは今回で 2 回目だそうですが、なんの躊躇いもなくビニールカーテンを押し退けて入っていきます。
髙島さん、いました!

いろいろやってきたんだなあ

さて、ここの店主の髙島さんは姫路出身の方。
お店の3代目で、髙島さんのおばあさんの代から引き継いでいるそう。 「3 代目、潰したらいかん」との心意気で継がれたんだと!
と言いますが、詳しく伺うと、元々実家のお店を継ぐきっかけとなったのは、 勤めていた仕入れ先の会社が合併になったこと。
こうして同業種のお店や会社で修行することを、丁稚奉公というそうです。
そこでこれからどうしようか、となった時に、「お店継いで良いなら行くで〜」となったんだとか。

そういう経緯でこのお店を継ぐことになった髙島さんですが、ここのお店に加えて 7〜8 年前までトラックの運転手もしていました。
それも、岡山の農場まで鶏卵を仕入れにいくトラックでした。
仕入れも朝早いので、午前中は奥さんが店番をして、入れ替わりでお店に立っていたとのこと。
さらにさらに、髙島さんは高校の時からトラック運転手になりたかったそうです。 ちなみにそれは、映画「トラック野郎」に憧れていたからという理由で、なんだか時代を感じます。

いないのか…

ただこの時分に病気になってしまったことがきっかけで、トラック運転手を辞めてお店をゆっくり切り盛りすることに。
ご夫婦交代制でお店を開けていたころよりも今の方がお客さんは増えたみたいです。
ここまでお話を聞いただけでも、なかなかの人生経験!

「ここってこうだったんだよ」が一番おもろい

お店に入ると、鶏卵だけでなく砂糖などの商品も置かれていました。
ただ、「あんまり写すもんもないでしょ」とのことで、お写真はありません…。笑

以前、だいたい 10 年ほど前はここのお店だけでなく、向かいにも大きな倉庫を構えていたそう。 (それがまさに東横インのある場所!)
現在は、最盛期の 10 分の 1 くらいの面積になったそうです。
色んな人からの「昔のお店は〜」を聞くほど、昔の駅西 VR があれば面白いだろうなあと思っちゃいますね。

ネズミって今時見ないよね

「昔は最高!活気があった!」とやっぱり髙島さんもおっしゃいます。

人が歩けないほど人が来ていたと。
今では車通りが多くてなかなか想像がつかないですが。
でも、この山電高架下は建て替えがあったので今の方が良いそうです。
というのもその昔、昭和の時代はこの近辺はネズミ被害がすごかったとのお話でした。
100 万の損害があった月もあるとか!
それが市場のお店も入れ替わって、建物そのものの改装や解体が続いたことでネズミも減っていったそう。

「ネズミ駆除の現場写真見る〜?」と見せていただきましたが、その内容よりも写真がすぐでてきたことに驚きました!
筆者はすぐにものを手放してしまうタイプなので、お話の中で「写真があったはず…」と 引き出しから色々探して出してくださるのがすごいです。

市場の組合の 30 年記念誌も見せていただきました!
よく残してあるなあと思うのですが、髙島さん曰く「古いの好きなんや〜」。
昔のお札もコレクションしているタイプ。
見せてくれた昔のお札、それも新札!しかも連番!
そういう人っていますよね。駅西のココにもいます。

そんなお話上手な髙島さん、「市場で最後まで残るぞー!」とのお言葉が印象的でした。
髙島さんは、市場のお店の中でもお若い方。
周りが辞めていく光景を見てこられたからこそそう思われるんでしょうか。

でも、「今が一番幸せ、これ以上の幸せはない」と何度もおっしゃる以上、それだけでもないのかなあとも。
今までお子さんを育て上げ、お孫さんもいらっしゃって、憧れだったお仕事も趣味の釣りもやってきて…と 「好きなことをずっとしてきた、今はストレス全くない」と話します。

ここについては筆者が言葉を加える必要もないほど、髙島さんのリア充度がご本人のお言葉だけで伝わってきたので、そのままの記述とさせていただきました。笑
髙島鶏卵店さんに、幸せパワーのお裾分けをいただきに行ってみましょう!

この記事を書いた人:どひ

兵庫県立大学4年生(2025年2月現在)。都市計画研究室に所属し、個人的に朝市のお手伝いをしている。縁があり夕雲舎でライターとして駅西にいる人の取材を行なっている。コミュ力おばけ。