2024.12.21

インタビュー

〆市の日のチューリップハットお姉さん・かBUる屋さんのアジトに潜入!

#働くひと

路地に入ったところにあるシェアキッチンあわあわ。 2階には、古本屋さんと一緒に帽子屋さんの作業場が入っています。 入ってみると…チューリップハットがたくさん!

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2024年12月21日、この日は第3土曜。今日は、毎月第3土曜開催の「旧市のきさき朝市」の年末版、「〆市」の日です。普段の朝市よりはゆっくりのスタート、そして終わりの時間もゆっくりです。クリスマス前ということで姫路中が賑わっていたこの日、駅西をよくウロウロしているふーこちゃんを発見。いつも可愛い元気なお洋服を着ているのでとっても見つけやすい。そんなふーこちゃんの拠点は、ちょっと見つけにくいシェアキッチンあわあわの2階。朝市出店者のお子さんたちがよくここの階段でゲームをしています。ですがここはスリッパに履き替えて、子どもたちを乗り越えて、昔ながらの少し急な階段で2階へ!さてさて、ここでふーこちゃんは一体どんな作業をしているというのでしょうか……。

チューリップハットはおきがるに

見た目通りラフな雰囲気で陽気なふーこちゃん、お仕事も陽気な感じです。ふーこちゃんはチューリップハットの作家さん。チューリップハットは、チューリップの花を逆さにしたような形の帽子。1つとして同じものはない、1点ものの帽子がここで日々生まれるみたい。朝市などのイベントの日に、この作業場を一般開放してくれています。今日作業場に遊びに来ていたのは、広島からのお友達や、水牛のネックレスをつけたお友達や……。似たもの同士で集まってくるものですね。

あわあわの階段下は、キッズの溜まり場。キッズにもふーこちゃん!って呼ばれてるの、なんか若。

元々、服飾を学んでいたふーこちゃん。課題でいろいろ作る中で、シルクハットを作る機会がありました。そこで「帽子より服作る方がよっぽど難しいよ」と気づいてしまいました!ファッションショー用のなっが〜いシルクハットを手探りで作り、他にもハンチングやキャスケットも作り……。その中で出会ったチューリップハットが簡単だったそう!やっぱり簡単なものが1つ完成すると、余裕ができます。その余裕の中でこんなデザインにしよう、こんな組み合わせにしようと、楽しく作れたとのことです。ふーこちゃん曰く、「努力すること、計算とか、色んなパターン考えるのが嫌いやからー」。ふーこちゃんらしさ溢れる言葉ですねえ。

そんなふーこちゃんなので、毎日チューリップってるわけではない。「ケーキ屋さんだからって毎日ケーキ食べないといけないわけでもないし。飾ってるだけでもいい!チューリップハットは自由だ!」ということでした。ふーこちゃんのチューリップハット哲学、いいですねえ。そう、ふーこちゃんのチューリップハットは気軽で自由なんです!被らなくてもいい。じゃあどうするか!ポシェットにし〜ちゃえ!

ということで、チューリップハットを逆さにして口を絞り、ポシェットになりました。これは以前働いていた帽子屋さんが暇すぎるあまり、チューリップハットを眺めていたら思いついたそう。筆者も帽子好きなのですが、出先で被らない時はスマホだのイヤホンだのを入れちゃいます。そしてそのことを忘れて被ろうとして、色々ぶちまけちゃうんですよね。そういう人を救うかもしれないポテンシャルを秘めているのが、チューリップハット!!

もっと手軽にチューリップを楽しみたい?そんな人にはぺたチュー!布の端切れなどで作ったチューリップハットのシールも用意してあります。筆者はこれが大好きで、友達にもお裾分けしちゃうくらい!かごの中からじぶんのお気に入りの色・柄の組み合わせを発掘する楽しみたるや。この人にはこんな組み合わせがいいかな、こんな服着てたな、と宝探しみたいにお好きなチューリップを見つけましょう。こんな感じで、ふーこちゃんの周りには日々「そうきたか!」が転がっています。

チューリップハットたち!いろがいろいろ…

ふーこちゃん哲学、イカしてんね

ふーこちゃんという呼び方がしっくり来すぎてあまり触れられていませんでしたが、ふーこちゃんの屋号は「かBUる屋」さん。服飾の短大時代、所属ゼミがアート寄りでした。そこでの資料集めの中で、「物の動き」が面白いなと感じました。例えば、紙やキャベツの破れ方、そのかけら。結果、授業での展示の名称が「やBUる」、その時の「BU」の名残だそうです。ここの「BU」に、ふーこちゃんが「破る」という行為に対して面白いなと思った要素が詰まっています。

こんな感じで、「なんでチューリップハットなの?」「かBUる屋の由来って?」とよく人に尋ねられるそう。色々教えてくださいましたが、結局理由は後付けでいいんやで、とのことでした。

お姉さんヅラをしてくれたふーこちゃん、このあわあわで、グリハンの美希さんと、パッチワークの史枝さんとで「まじめなふまじめ展」をしていました。1階にまで進出して、あわあわを使いこなすふーこちゃん。ここを作業場にし始めたのは、2023年の12月ごろだそう。以前は自宅マンションで作業していたそうですが、寝室に布団に…となると作業場が欲しくなったと。そこにちょうどのアトリエ募集もあり。今やふーこちゃんの第2の家、あるいは秘密基地のようになっています。

「こうやって寝転んじゃうこともできる!」と、お喋りの途中からダラダラりんなふーこちゃん。昔ながらの民家の窓枠に、ちゃぶ台に、勉強机のように置いてある仕事道具のミシン。寝転んでるふーこちゃん。

作業場のふーこちゃん。カーペットでつくろげる!自分もこんな秘密基地みたいな職場がいいな。

ここに来るたびに、放課後に友達の家でダラダラおしゃべりしたり、ゲームしたり、少し落ち着かなかったり…を感じていい感じです。ちゃぶ台にしろくまのこーちゃんがいるのも友達ん家ポイント高い!

しろくまのこーちゃん。ストラップの「ちびすけ」とともに。

この日も〆市の出店で、あわあわ1階も賑わっていました。冬は風が凌げるし、夏は涼しいので朝市の日にはありがたスポットになりがち。2階にいても、下の賑やかな声が聞こえてきます。1階はシェアキッチンとして私的にパーティーなどの利用も可能です。筆者も学校の友達と一緒に何度かタコパしたことがあるのですが、その時も聞こえていたみたいです。笑
ふーこちゃんがいるかも?いないかも?

ふーこちゃんに会いに、作業場を見学しに、あわあわってどんなとこ?を確認しに、ぜひ「旧市のきさき朝市」に遊びに来てくださいね!

この記事を書いた人:どひ

兵庫県立大学4年生(2025年2月現在)。都市計画研究室に所属し、個人的に朝市のお手伝いをしている。縁があり夕雲舎でライターとして駅西にいる人の取材を行なっている。コミュ力おばけ。