2024.11.14

インタビュー

4 時から開いてるお菓子屋さん・岡部平和堂さん

#働くひと

忍町の大通りの角にある、岡部平和堂さん。 ここのお店の中でも大きい建物です。朝市の日にはお子さんたちが必ずと言っていいほどお買い物をしているこの駄菓子屋さんのご夫婦も、とってもお話好きな楽しい人たちでした。

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緑と白のオーニングが目印の岡部平和堂さん。大袋のお菓子から、懐かしの駄菓子まで取り揃えています。今時駄菓子屋さんって少ないですよね。筆者の小学校区には駄菓子屋さんがなかったので、大人になってやっと初めて行った駄菓子屋さんが岡部平和堂さんでした。

わんぱく箱買いも可能です!

のきさき朝市の日には、子どもちゃんたちがお小遣いを握りしめて駄菓子を買いに来る様子が目撃されます。8 月や 9 月の暑い時期の朝市開催時には、大学生スタッフが打ち水をして回っていたのですが、 平和堂さんの前で子どもたちに打ち水をしてもらったことを思い出します拠点と言っても色々ありますが、子どもたちの拠点は間違いなくここ!そして、そんな子どもを ( もちろん大人も ) 相手にする店主さんご夫婦はとってもお話上手な方々でした。

取材に伺った日は、ちょうどご夫婦が揃っていらっしゃいました。ここの店主の岡部さん。旦那さんの方は、下の名前から「もりちゃん」と呼ばれているのを目撃しました。でもやっぱり、この近辺の方からは「平和堂さん」と呼ばれることが多いようです。

ここでこのへんあるあるをひとつ!屋号で呼んでも通じるので、店主さんたちの本名を知らないことが多い。あるある~。

市場のお店の人ら、結構姫路の外で経験積んでるらしい

そんな平和堂さんは、おじいさんの代から続くお店です。お店は戦後の闇市の時代から始まっており、当時は山陽電車の高架下にお店があったみたいです。そんな時代から山電が高架だったとは驚きですね。そしてお父さんが継いだ時分に現在のお店に落ち着いたとのこと。当時はポン菓子を売っていたそうですが、今の平和堂にはおなじみのお菓子が並んでいます。

店主さんが若い時分には、お店を継ぐ前に修行ということで、神奈川の方の会社に勤めていたそうでです。「親父としては、他人の釡の飯を食え!ってことだったんだろうなあ」とのこと。昔はそのような、いわゆる丁稚奉公が普通だったみたいです。今で言えば、同業種内でのキャリアアップてことでしょうか。

そしてその時代は市場が賑わいすぎて信じられないくらい忙しかったので、お店を継ぐ以外のことは あまり視野になかったとのことでした。

営業時間が独自なのも駅西の魅力

なんと平和堂さんのオープンは 4 時!16 時じゃないですよ、朝の 4 時です。店主さんご夫婦も、3 時すぎ起床だそうです。お家とお店が一緒になっているので通勤時間も数秒…とはいえものすごい早起きです!それどころか昔は今より早い 3 時ごろから開店していたそう。でも、「なまけてそのうち 4 時になっちゃった」とのことでした。当時の市場が忙しすぎたが故の営業時間設定だったそうです。

朝早くからお店を開けているというのがここの市場の常識であり、アイデンティティです。きっと他にもこれくらいの時間から開けていらっしゃるお店はあると思うので、朝活の名目上で早朝の駅西に来てみては?あるいは、通勤通学の時に駅西に寄り道してみるのもアリです!

市場自転車〜平和堂バージョン〜。店主さんが現役で乗り回しているのを見てしまいました。

駅基点で見ると姫路ってどない?

この近辺は、その昔「姫路の台所」と呼ばれていたそうです。ここに来ればなんでも揃うと言われていたけど、最近はなんでも揃わん…と岡部さんは残念がっておられました。特に、コロナ時期の打撃はものすごかったそう。お客さんの足ももちろんですが、そのタイミングで駅西では駐車場だったところにマンションが建設されたり、得意先が廃業されたり。姫路の中央卸売市場も移設した 長年ご商売をされてきても想像していなかったインパクトだったそうです。

また、姫路駅を起点とした時に、北 ( 姫路城方面 )、東 ( みゆき通り方面 )、南 ( 姫路市役所方面 ) は 開発されていっていますが西の方は取り残されたまんま…と岡部さんは感じるそうです。でも最近、その取り残されたレトロな風景も再評価されつつあるんですよね。駅の西側は今後変わっていくかもしれないしこの先もこのまま現状維持かもしれません。でも少なくとも毎月第3土曜日にここ一帯で開催しているのきさき朝市の継続は、肌感覚ですが開発という手法を用いないもののエリアのイメージやお店同士の関係の更新になってるんじゃないかなあと筆者は思ってます。

生活っていろいろ

将来どんな駅西になってほしいか伺うと、みんなに住んで欲しいとのひとことでした。できるだけ長く、ここで生活してほしいとのこと。生活にも色々ありますよね。住むことはもちろん、お店に買い物に頻繁に行くことも「生活」ですし、通勤・通学することも、「生活」にあたると思います。とすると、駅西に関わること、姫路の地元の人になることってあまり難しいことではないかもしれないですねー。
姫路近辺に住んでいる方、姫路にご通勤、ご通学の方、ここのエリアも生活圏の一部にしてみませんか?

この記事を書いた人:どひ

兵庫県立大学4年生(2025年2月現在)。都市計画研究室に所属し、個人的に朝市のお手伝いをしている。縁があり夕雲舎でライターとして駅西にいる人の取材を行なっている。コミュ力おばけ。